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個別進学塾教匠平木のブログです

by kyosyo-hiraki

今週の和歌「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」

 こんにちは、個別進学塾教匠講師の平木です。天気の悪かった先週と比べて、日中は暑く感じる日が多くありますが、秋分の日以降は平年並みの気温に落ち着くそうです。今週は先週に引き続き、「風」に関する和歌を紹介します。

 秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
(古今集169)

 「秋が来たと目にははっきりと見えないけれども、風の音に(秋が来たと)はっと気づいた」というのが大まかな解釈になります。この和歌は平安時代の歌人である藤原敏行が詠んだものです。藤原敏行は三十六歌仙の一人です。三十六歌仙は平安時代の和歌の名人36人の総称であり、以前紹介した紀貫之や凡河内躬恒も含まれます。

 この和歌の文法的ポイントは「
」には以下の3つの可能性があります。
① 打消の助動詞「ず」の連体形
② 完了・強意の助動詞「ぬ」の終止形
③ ナ行変格活用の動詞の活用語尾
これらは、以下の手順で識別することができます。
1、上の語の活用形は何か確認する
 未然形ならば、連用形ならば、「死」や「往」ならば
2、1で判断できない場合(未然・連用形が同じ形)は下に何が続くか確認する
 体言が続く場合は、「。」や終止形接続の助動詞が続く場合は
ただし、下に「。」が続いた場合でも、文中に「ぞ」「なむ」「や」「か」がある場合は、係り結びの法則により文末が連体形になるため、の意味になります。

 「ず」は打消(~ない)の意味、「ぬ」は完了(~てしまった)の意味ですので、識別を間違えると正反対の文になってしまいます。たった一文字だからこそ、「なんとなくの流れで」捉えてしまいがちですが、品詞ごとに丁寧に解釈することが非常に重要です。

 Hiraki


by kyosyo-hiraki | 2018-09-19 10:00 | 和歌