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個別進学塾教匠平木のブログです

by kyosyo-hiraki
 明けましておめでとうございます。個別進学塾教匠講師の平木です。この時期は受験生にとっては正念場ですが、1・2年生にとっては気持ちを新たにいろいろなことにチャレンジするいい機会ですね。今回はそんな新年に関する和歌を紹介します。

 あたらしき 年の始に かくしこそ 千歳をかねて たのしきをつめ
(古今集・巻20)

 「新しい年の初めにこのように千年先までの繁栄に向けて楽しいことを積み上げよう」というのが大まかな解釈になります。シンプルな和歌になっていますが、わくわくする気持ちがストレートに伝わってくる、とても気持ちの良い和歌ですね。(実は掛詞などの修辞法も用いられていますが、詠まれた場面なども踏まえることになるので割愛します)

 この和歌の文法的ポイントは「こそ
 係助詞「こそ」が文中にある場合、文末が已然形になり、強意の意味が文にかかります。強意はその語の強調する役割を持っていますが、意味自体が変わるわけではありませんので、訳に反映させる必要はありません。ここで気を付けたいのは、「文末が已然形」という点です。已然形は命令形と非常に見間違えやすいので気を付けましょう。「こそ」に限らず、係助詞が出てきたときは必ず○で囲むなどのチェックをつけるよう、心がけましょう。
 今回の場合、文末の「つめ」は3句目の「こそ」があるため、係り結びの法則がはたらき、已然形となっています。「楽しいことを積み上げなさい!」のような命令形の訳をとらないように気を付けましょう。

 まだお正月気分が抜けていない人も多々いるかもしれません。確かにみんなそうですが、ここで頑張れる人が周りと一歩差をつけられる人です。メリハリをつけて頑張って勉強に取り組みましょう。

 Hiraki

# by kyosyo-hiraki | 2020-01-08 10:00
 こんにちは、個別進学塾教匠講師の平木です。中学生は今週、高校生は来週に2学期中間考査が迫ってきました。2学期になってどの科目も1学期より一歩踏み込んだ難しい単元を学習していることもあり、テストに向けての勉強が思うように進まない人もいると思います。

 当塾では「テスト対策ゼミ」という仕組みを実施しています。定期考査に向けて、テスト対策授業を無料で1回受けることができます。通常授業で受講していない科目でも受講できますので、テスト期間に「この科目、実は全然わからなかった…」と気づいた科目のテストに向けての要点を絞った学習を行うこともできます。また、得意科目の応用・発展問題に取り組んで高得点を目指す、という利用方法も可能です。

 当塾では「自習スペース」も完備されています。テスト期間中は13:00から開校していますので、塾生の皆さんは積極的に利用してください。自習スペースだと、すぐに講師に質問でき、家で自習しているよりも効率よく勉強を進めることができます。また、周りの生徒も真剣に学習に取り組んでいるため、自身もより集中しやすい環境で勉強できます。特に部活動などで忙しかった高1・2生は、なかなか自習に来る時間的な余裕がなかった人も多いと思います。テスト期間で部活動が休みになっているこの機会に、積極的に自習スペースを利用してみましょう。

 2学期中間考査はどの科目も範囲が広い上に、9・10月は体育祭などの学校行事が多く実施されるため、学習が不十分な人も多いです。しかし、逆に言えば、ここで真剣に勉強に取り組むことで、周りの人と大きく差をつけることができるということでもあります。どの科目から勉強すればいいか、どういうペースで勉強を進めていけばいいか、など、勉強の仕方で迷うことがあれば、どんどん相談に来てください。

 Hiraki

# by kyosyo-hiraki | 2019-10-09 10:00 | 学習
 こんにちは、個別進学塾教匠講師の平木です。9月も最後の週を迎え、体育祭や文化祭など、「まさに秋」と言えるような行事が行われており、学生の皆さんはその練習や準備などに忙しい日々を過ごしていると思います。今回は前回同様、秋の風景に関する和歌を紹介します。

 心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ
 (山家集・470)

 「(出家して)煩悩を捨て去った身である私にも、しみじみとした趣は自然とわかるものだなぁ。鴫が飛び立つ沢の秋の夕暮れは。」というのが大まかな解釈になります。鴫(しぎ)とは渡り鳥の一種で、主に秋に日本にやってくる鳥です。この和歌は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した歌人、西行によって詠まれたものです。

 秋の夕暮れを背景に水辺から鳥が飛び立つ非常に美しい光景が想像され、確かにどんな人でも心が動かされないことはないだろうと納得できる和歌ですね。

 この和歌の文法的ポイントは「
助動詞「る」は以下の4つの意味を持っているため、識別が必要となります。
可能(~できる)… 下に打消の語を伴う場合が多い
受身(~れる・~られる)… 「人物+に」が前にある(補える)
自発(自然と~れる・自然と~する)… 直前に心情や知覚に関する語がある
尊敬(~なさる・お~になる)… ①~③以外、または主語が敬意を表すべき人物
今回の和歌では、「知ら//けり」の「れ」が助動詞「る」にあたり、直前の動詞「知る」(わかる・理解する)が知覚に関する語であるため、③自発の意味で用いられています。

 台風もおさまり、気候も落ち着いてきましたが、秋は天気の変化の激しい季節。それぞれの天気で違った風情を見せてくれるのは魅力的ですが、突然の雨は困りものです。今週末も雨が降る可能性があるようですので、折り畳み傘などをちゃんと準備しておくとよいですね。

 Hiraki


# by kyosyo-hiraki | 2019-09-25 10:00 | 和歌
 こんにちは、個別進学塾教匠講師の平木です。9月も中旬に入り、日中は暑い日があるものの、日が暮れるとすっかり秋の涼しさを感じられるようになってきました。今回は、秋の風景に関する和歌を紹介します。

 見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ
 (新古今集・巻4・秋歌上・363)

 「見渡すと、桜も紅葉もないものだなぁ。海辺の粗末な小屋の秋の夕暮れには。」というのが大まかな解釈になります。この和歌は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍し、「新古今和歌集」の選者になった歌人の藤原定家が詠んだものです。

 秋の夕暮れの海辺には存在しない桜や紅葉といった華やかな美を想像させた上で、何もない粗末な小屋の簡素さ、質素さを対比的に強調しており、「わび・さび」(質素さや静寂さの中で感じる美)に通じる美を見出した名歌であると思います。

 この和歌の文法的ポイントは「体言止め
「体言止め」とは、体言(≒名詞)で文を止める修辞法。(←こんな感じで文末に体言を置きます)体言で文を終えることで、リズム感を持たせたり、余韻を持たせたりする効果があるため、和歌ではよく用いられます。今回の和歌では、第5句が「夕暮れ」という名詞で終わり、体言止めが用いられています。
 体言止めが用いられると、そこでいったん文が終わる(「。」がつく)ので、区切れを考える際に注意が必要です。今回のように和歌の最後に体言が来ている場合は見つけるのは容易ですが、和歌の途中で体言が来ている場合は、それが下の文節にどのように関わっているのか(主述の関係があるか、など)考えなくてはいけません。

 夏休みの華やかな思い出も、気づけばすぐに2学期中間考査の姿が迫ってきています。気持ちを切り替え、今勉強にしっかり取り組むことで、定家のように華やかさ以外の楽しみや喜びを見つけられるかもしれません。後で慌てないように今から始めましょう。

 Hiraki

# by kyosyo-hiraki | 2019-09-18 10:00 | 和歌
 こんにちは、個別進学塾教匠講師の平木です。夏休みも終わり、本格的に授業も始まるこの時期に、上手くスタートダッシュをきることができれば、2学期以降の勉強がより効率的に進められます。今回は、特に高1生向けての、2学期以降の古文学習への取り組み方について、お話ししたいと思います。

・助動詞の意味・活用・接続を覚えよう!
 1学期までの古文の授業では、用言(動詞・形容詞・形容動詞)について学習してきたと思いますが、2学期以降では古文の最重要事項と言っても過言ではない「助動詞」の学習が始まります。現代語における助動詞は、日常の会話で自然と使っていますので、意識せずとも用法を身につけていますが、古文の助動詞は現代語とは全くの別物。一から覚えていく必要があります。暗記事項が非常に多く出てきますが、その中でも確実に覚えておきたいものが、助動詞の「意味」「活用」「接続」です。
 意味が分かることで「どう訳せばよいか」が分かり、活用を覚えることで「どこに助動詞がいるか」見つけることができ、接続を区別することで「どの助動詞なのか」判別することができる、非常に重要な要素です。助動詞を学習するごとにこの3要素を意識して学習に臨みましょう。

・古文単語を覚えよう!
 1学期までは「何となく」「雰囲気で」読める言葉も多かったのではないでしょうか?2学期以降は文章がどんどん難しくなっていき、見たことのない難解な古文単語や、見たことはあっても現代では全く別の意味で使われている単語に出会う機会が非常に多くなります。学校の授業を聞いていれば、話の流れを説明してくれるため、単体で知らない単語がいくつかあっても「雰囲気」で分かった気になってしまいます。しかし、模試や入試に出題される文章はほぼ確実に初めて出会う文章。これらの文章を読み解くためには、「単語力」が必要です。1年生の間、単語力を鍛えることを怠っていると、そのツケを必ず2,3年生で支払うはめになります。今から「古文は外国語みたいなもの」と割り切って、知らない単語があれば確実に覚えることを習慣づけていきましょう。

 夏休みは終わったばかりですが、10月中旬~下旬にはすぐに2学期中間考査も迫っています。近づいてから慌てる、なんてことの無いように良いスタートダッシュをきりましょう。

 Hiraki

# by kyosyo-hiraki | 2019-09-04 10:00 | 古典の学習