今週の和歌「あたらしき年の始にかくしこそ千歳をかねてたのしきをつめ」
2020年 01月 08日 明けましておめでとうございます。個別進学塾教匠講師の平木です。この時期は受験生にとっては正念場ですが、1・2年生にとっては気持ちを新たにいろいろなことにチャレンジするいい機会ですね。今回はそんな新年に関する和歌を紹介します。
あたらしき 年の始に かくしこそ 千歳をかねて たのしきをつめ
(古今集・巻20)
「新しい年の初めにこのように千年先までの繁栄に向けて楽しいことを積み上げよう」というのが大まかな解釈になります。シンプルな和歌になっていますが、わくわくする気持ちがストレートに伝わってくる、とても気持ちの良い和歌ですね。(実は掛詞などの修辞法も用いられていますが、詠まれた場面なども踏まえることになるので割愛します)
この和歌の文法的ポイントは「こそ」
係助詞「こそ」が文中にある場合、文末が已然形になり、強意の意味が文にかかります。強意はその語の強調する役割を持っていますが、意味自体が変わるわけではありませんので、訳に反映させる必要はありません。ここで気を付けたいのは、「文末が已然形」という点です。已然形は命令形と非常に見間違えやすいので気を付けましょう。「こそ」に限らず、係助詞が出てきたときは必ず○で囲むなどのチェックをつけるよう、心がけましょう。
今回の場合、文末の「つめ」は3句目の「こそ」があるため、係り結びの法則がはたらき、已然形となっています。「楽しいことを積み上げなさい!」のような命令形の訳をとらないように気を付けましょう。
まだお正月気分が抜けていない人も多々いるかもしれません。確かにみんなそうですが、ここで頑張れる人が周りと一歩差をつけられる人です。メリハリをつけて頑張って勉強に取り組みましょう。
Hiraki
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by kyosyo-hiraki
| 2020-01-08 10:00